長い一日

夫の手術。
朝9時半に手術室に入り、手術が終わったと知らされたのは午後4時半。

事前説明で手術時間が約6時間、手術前の処置に小一時間かかると聞いていたので、まあ、妥当なところか。
でも、やっぱり、午後3時半を超えてからの1時間は長く感じた。
延々7時間待っていたわけだが、この間というのはただ気にかけながら待っていただけ。
何か本でも読めば良かったのだろうが、どうも手術が気になって集中できなくて・・・ 
終わったと知らされたときは本当にほっとした。ただひたすら、待ちの一手の長い一日だった。 “長い一日” の続きを読む

へ~んしん。じゃん、高校生!

さあ、いよいよ明日は手術です。数日前から手術準備のために個室に移っており、今日から奥さんも狭い簡易ベッドで泊まり込んでくれます。全身麻酔手術は人生で2度目ですが、やっぱり緊張しますね。とくに大腸と肝臓を同時に切除(全部ではないですよ)する大手術なわけですから、準備も大変です。

で、今日いちばんのメイン・イベントは「ひげそり」。私は鼻の下とあごにヒゲを蓄えているのですが、手術中に口にくわえる管をテープで固定するために、ヒゲを剃らなければいけないのです。

ちなみにヒゲを生やすようになったのは4年前。インド西部のグジャラート州で大きな地震があったときに現地で地震観測をしていたのですが、観測機器設置のための交渉の時に、ヒゲがないと軽く見られてしまう、ということで、3週間の滞在中にのばし、その後もそのままで現在に至っています。宗教的な問題(この地域はイスラム教、ヒンデュー教が半々というところで、どちらも成人男性はヒゲがあるのが普通なのです)以外に、私の顔が童顔であるというのも理由です。

で、今はヒゲのおかげで年相応の見た目なのですが、ヒゲを剃ったら結構変わるはずです。でも奥さんに言っても「えー、そんなに変わらないでしょ。ヒゲくらいで」と信じてくれません。で、剃りました。もうすっきりと全部。

そして振り向くと、奥さんは目をまん丸にしてポカンとしています。「若いねー。高校生って言っても通用するかも」だって。だから言ったでしょー。この顔で34歳ですよ(苦笑)。

あー、もう早く手術終えてヒゲを元に戻さなければ。この顔では業者と交渉したり、部下に指示を出したり、大学で講義したりとかできませんよー。裸みたいで恥ずかしいー。明日の手術よりもヒゲの方が気になってしまう私からは緊張感が吹っ飛んでしまいました。 “へ~んしん。じゃん、高校生!” の続きを読む

初めて知った夫の素顔

昨日先生から手術の説明を受けた際、
口ひげがあると人工呼吸器のマスクが外れやすくなるので剃るように、という指示を受ける。
口ひげだけ剃るのも何なので、ということで、あごひげも全部そり落としたが、
思ったよりもずっと若返り、高校時代のアルバムのような顔になった。

夫が言うには、初めて出会ったときはこの顔だったということだが、記憶なし。
その後夫を含む友人関係で集うようになった頃には既に髭を生やしていたため、
私はこの顔をまじまじと見るのは初めて。
髭のあるなしで、印象って結構変わるものなのねえ。
一気に10歳近く若返ったような感じがする。
もっとも、本人は裸で外を歩いているような感覚で恥ずかしいそうだが・・・
術後はまた生やすんだそうだ。まあ、その方が貫禄があっていいかもしれません。

手術を控え、今日から病院泊まり込み。
付き添い用ベッドはストレッチャーの上だけを取り外しましたというような
幅の狭い超簡易ベッド。眠れるのか? “初めて知った夫の素顔” の続きを読む

寒い・・・

昨日は結構蒸し暑かったが、今日はひんやりとした一日。雨もぱらついていたし。
自転車で風を切ると、涼しい。というか、寒い。
お見舞いからの帰り道は鳥肌が立っていた。7月も半ばになるのにね。

6月は、空梅雨続きでひどく暑かったけれど、7月に入ってからは雨も良く降るし、涼しくて過ごしやすい。
でも、今日の涼しさはちょっと行き過ぎ?テレビでは5月並みの涼しさといっていた。冷える。 “寒い・・・” の続きを読む

やっぱり癌ですか

大腸の病変部分の、病理検査結果が出る。悪性腫瘍確定。
1週間前の内視鏡検査結果(写真)から、心づもりはできていたので、
やっぱりね~ くらいの気持ちだった。まあ、こうなった以上は仕方ない。治そう。

手術予定は14日。いろいろな疑問があったが、
主治医の先生は、こちらの質問に懇切丁寧に答えて下さった。
質問合わせて説明時間は1時間強。手術の方法、必要性などについてはおよそ納得がいき、
あとは手術が成功することを祈るのみ。
まあ、明日、間に合えば帯津三敬病院に電話してみて、
セカンドオピニオンを取ろうかとは思っているけれど、
手術そのものには納得しているので、間に合わなかったらそれでもいいかとは思う。

さて、明日は夫の上司に説明か。みんな病名知ったらびっくりするだろうなあ。まだ34歳だというのに・・・
なお、幸いなことに、転移は肝臓の、CTで見えた2ヶ所のみの様子。
あとは開腹してみないとわからないらしいが。
肺の転移を心配していたが、疑わしい部分はあるものの、まあ大丈夫そう。
ほんっっっとうに良かった。 “やっぱり癌ですか” の続きを読む

何かやる気出ないなー

家で一人でご飯を食べる、というのは単身赴任中いつものことだし、
この、つくばの家にいながら一人で過ごすというのも、
結婚してから夫が海外出張でいないことなどもよくあったので、慣れていることではある。
むしろ、今は、昼間お見舞いに行き、何時間も一緒に過ごしているので、
別々に過ごしている時間はいつもよりも短い。

・・・でも、なんだか、何をするにしても味気なくて、やる気出ないんだよね。
一人分のご飯を作るのもいつものことなのに、何か、別に何でもいいや、
食べなくてもいいや、っていう気になる(←実際は何か適当に作って食べているけどね)。
夫が入院している、と言うだけで、こんなに気力が落ちるものかね・・・

夫は3月頃から鬱の闘病中でもあり、こちらもなかなか心配ではあったけれど、
今感じているような味気なさはなかったなあ。
鬱ではあってもまだ(一見)普通に生活できていたせいかな。
今は、見舞いに行って、帰宅して、さあご飯、と思っても、
夫は点滴でもう何日も食事していないこととか、
どこかを歩き回ったりすることもなく、ほとんどベッドにいることとか、
いろいろと考えてしまって、ほんとに、何をするにも味気ない。
夫が元気でないというだけで、こんなに寂しいなんて、結婚前には思いもしなかった。 “何かやる気出ないなー” の続きを読む

まあ、やっぱりね

「セカンドオピニオン必要だね。筑波大病院あたりにお願いしよっか」という話を奥さんとしていたのですが、昨日そのことをA医師に相談したところ、

「そういうことでしたら、ちょうど明日の午後に筑波大病院の消化器外科の教授が外来に来ますから、話をされてみては?」

というありがたい提案をいただきましたので、その話にのることにしました。でもよく考えてみると、A医師も筑波大出身らしいので、半分身内。ちょっと中途半端なセカンドオピニオンになっちゃうかなあ。まあいいか。 “まあ、やっぱりね” の続きを読む

淡々と、告知

昨日病院で、手術を受けるならセカンドオピニオン取る?と言う話をして帰ってきたが、
今日見舞いに行ってみたら、筑波大病院の先生が来ているとかで、その方に説明を受ける。

腸の診断としては、主治医と一緒。病理診断の結果を待つ必要があるが、
悪性の可能性が高いって。
こちらはほぼ覚悟していたからよいのだが、今日取ったCTの結果では、
肝臓に転移の可能性があるとのこと。
そして、これはこれから検査してみないとわからないけれど、
肝に転移していると、肺に転移している可能性もあるとか。

さすがに動揺した。

ふっと隣の夫の顔を見ると、夫も衝撃は受けたようで、青ざめていた。 “淡々と、告知” の続きを読む

う~ん、不味い! もう一本!

腸の中もほとんど空になり、水分程度なら取っても大丈夫だろうということで、昨夜から「エンシュアリキッド」なるものを摂取することになりました。以下は昨夜の出来事です。

「今日からエンシュアリキッドっていうのを摂取してもらうんですけど・・・」とA医師は淡々と切り出しました。A医師は物静かに淡々と話をする方で、説明もシンプルかつ的確になされる方です。いかにも「先生!」ってな感じです。 “う~ん、不味い! もう一本!” の続きを読む