震度かマグニチュードか

今勤めている研究所では、構造実験用の大きな振動台
(地震の動きを再現して、建物や土木構造物などの模型を揺らし、
 地震の時にどうなるかを調べるための装置)
を持っていて、私の主な仕事はそれを使った実験研究となっている。

研究所にはよく一般の方が見学に来られるが、振動台の説明をしたとき、
または、実際に振動台が動いているところを見せたときによく聞かれる質問が、

「この振動台ではマグニチュードいくつくらいの地震が再現できますか?」

さて、唐突ですが、この記事を読んでいらっしゃる方は、震度とマグニチュードの違いを説明できますか?簡単に言えば、震度は、ある地点の地震の揺れの大きさを表す指標で、
マグニチュードは、地震そのものの大きさを表す指標。
(→参考サイト:地震の基礎知識 (独)防災科学技術研究所HPより)

しかし一般の方には、震度とマグニチュードの違いを理解していない方が多く、
「マグニチュード」と表現していても、意図しているものは「震度」であることが多い。

本題に戻って、上記の質問に対する答えとしては、

① 地震の揺れの大きさは、マグニチュードではなく、震度で表現します。
  この振動台では、震度7相当の揺れを再現できます。
② この振動台が何も載せない状態で、兵庫県南部地震の記録波を再現した場合、
  約1.8~2.1程度となります。

ほとんどの場合は、震度とマグニチュードを混同している質問なので、①が正解。
ただし、ごくごくたま~に、振動台を周辺地盤への震動源と考えた場合の、
発生させうる震動(=地震)の大きさを訊いてくる人がいて、
そういう人に対する答えは②が正解となる。
この仕事に就いて約8年、多くの見学に対応したが、1回だけ、
②の答えが正解となる質問をされたことがある。
相手をよく見て答えないといけない難問の一つ。

なお、②の答えを読めば、その筋の人は、私の勤め先を簡単に推測できると思う。
ちなみにこの答えは、地震学研究者である夫が計算してくれました。どうもありがとう。

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