以前からよく読んでいたエッセイストの本。
40歳前後でがん(虫垂がん)にかかり、手術で切除し、本を著した時点で術後3年。
著者は患者の立場から、国立がんセンターの精神科の医師が医師の立場から、
がんになったことで経験する、告知や闘病、退院後の生活などの様々な場面で、
こころがどのような反応をし、どのようなサポートが必要だったか、
あるいは、そのような事項に対し、精神面でのケアが現在どのように進められているのか、
ということについて対談形式で述べられている。
患者としての経験は、岸本さんという、ある一人の患者についての一事例でしかないが、
人によってはこういう風に感じているのか、という参考になった。
がんという病気に特化したメンタルケアの取り組みについて、
まだ日本ではそれほど充実してはいないようだけれど、
フィジカル的な治療の他、このようなメンタル面でのケアもあわせるような、
総合的ながん治療がもっと広まるといいですね。
著者は独身のため(父親はいらっしゃる)、がん患者の家族に対するケアについては
あまり述べられていなかったけれど、
がんというのは(というか、がんに限らず大きな病気は大なり小なり)
家族の方もあれこれ考えることが増えるので、そちらも充実してくると嬉しい。

