夫のことを知っている何人かの方から、なぜこれまでかかっていた神戸大病院ではなく、
わざわざ遠い癌研有明病院で手術を受けるのか、と尋ねられた。
そういえばこのブログにもその辺の経緯ははっきり書いていなかったが、
理由は単純明快で、
「神戸大病院では手術不能と診断されたが、癌研有明病院では手術可能と診断されたから」
セカンドオピニオンを取る過程で上記のことが判明し、
癌研有明病院の医師に、神戸大病院から転院したら受け入れてくれるか?と尋ねたら
OKの返事をいただいたため、転院手続きをした、という事情。さて、入院中、病院の待合室に「いい病院ランキング」系の雑誌があったのでぱらぱらと眺めてみた。
この種の病院ランキングは年間手術件数で比較されることが多いが、
神戸大病院と癌研有明病院とでは、今回夫の受けた肝切除術に関しては、
癌研が58例/年に対し、神戸大が50例/年、とほとんど違わなかった。
(ちなみに、トップは東大病院で約140例/年。確か2006年のデータだと思ったが、
立ち読みの記憶なので不正確かもしれません。あしからず。)
年間8例の差で、手術可能と不能とで判断が分かれた理由はわからない。
肝臓に生じたがんの手術では、がんの取りこぼしを防ぐために、
病変を取り囲む正常組織が1cmの厚みになるように切除する、というのが標準の手術だが、
今回の夫の場合、血管が近くを通っており、1cm残すということができなかった。
そのため、がんと一緒に切除した正常組織の厚みは数mm。
執刀医からも、これが標準治療の1cm残す、という方法であれば、
癌研であっても手術は難しい、と言われていた。
標準ではない治療を選択する、という決断をもたらしたのは、
年間手術件数の中に含まれる、一般的ではない症例の経験の差なのであろうか。
それとも、癌研という、財団法人としての病院と、
大学病院という公的機関の経営する病院との差であろうか。
雑誌にあるランキングは、一つの判断指標であるかもしれないが、
必ずしも全てではないと、改めて感じた。
それにしても、今回の症例、トップの東大病院だったらどのような判断がされたのか、興味はある。

